本日もよろしくお願いいたします。小さなスナックのママAnanです。
私が接客業に初めて携わったのは、建設コンサルタント会社で地質調査を担当していた頃のこと。どうしてもWワークをしなければならない家庭の事情がありました。昼間の仕事を終え、飲食ビルのエレベーターに乗った瞬間涙がポロポロと落ちてくる。お店の前に降りたら何事もない笑顔を作って元気よくドアを開け、ただただ必死で働いていた日々。あの頃も、コンサル会社の皆さんが暗黙の了解で私を支えてくれたおかげで乗り越え今があります。
そこで接客主体の職業が持つ意味の深さを感じてきた経験が、後々「接客業」を生業とする!と決意する材料となったことに間違いありません。
本日お勧めする本は、『寄り添う』 著者:雨宮由未子さん(講談社ビジネスパートナーズ出版)です。

銀座の一流クラブ「麻衣子」が40周年を迎える2011年3月、麻衣子ママが、お客様の思いやお言葉を活字にしてお届けすることが出来たらと考えられ、形となった正に宝石のような本です。
この本には、たくさんのお客様の中から、62名の方の「クラブ麻衣子」に対する思いと、ママがお客様お一人お一人に寄り添う心が綴られています。
2011年3月は、あの東日本大震災が襲った時でした。こんな時にお店を開けて良いものか、麻衣子ママも悩んだそうです。そんな時、「一隅を照らす。これ則ち国宝なり」と言う教えが浮かんだと本の中で仰っています。
私が当時任せてもらっていたお店も、東日本大震災によって跡形も無くなりましたが、こんな時こそ、人が集い語り合える場所は必要と思い、5月1日には移転再開しました。
接客業が社会の中で担う使命、役割、伝えたいことは、私の営む小さなスナックでも、銀座の一流クラブでも同じだと思います。ここ最近は、私たちの小さな町は人口流出に歯止めがかからず、夜の町に繰り出す人々も減り、私も力の無さを痛感しております。
この本は、一流クラブ麻衣子のお客様お一人お一人の言葉によって、社交の場における接客業の文化が輝き伝わるそんな一冊となっています。この本に励まされ、今日も元気に営業します!
お読みくださりありがとうございました!
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