スナック繁盛店のマインドセット【カラオケ営業】

ママのアドバイス【接客編】

こんばんは、建設現場で働くスナックママのAnanです。

私のお店にもカラオケがあり、歌うことが好きなお客様はたくさんいらして、カラオケが鳴らない日は一日も無い程の活躍ぶりです。お店によって料金形態は違っていると思いますが、私のお店では、お一人様1曲は無料、2曲目からは200円としています。

カラオケ好きな方、嫌いな方様々いらっしゃる中で、どのような対応が求められるのか、そもそも接客にカラオケは必要なのか等々・・・

本日は、簡単なようで意外に多いカラオケ営業のマナーや注意点等々書いていきます。

カテゴリー「ママのアドバイス【接客編】」では、一例として、私の経営するスナックの接客方法とその考え方、心構えなどをご紹介していきますので参考にしてみてください。

社交の場でのカラオケ

スナックのような場所ではなく、カラオケボックスにお出かけの方はもっと多いと思います。大きく違うのは、スナックの場合は、歌が好きな人嫌いな人、生きてきた時代の違ったお客様が集う一つの箱の中で、歌いたい人だけが歌うと言う点です。

そのような社交の場でのカラオケ営業ですので、私たちお店側は、心を配る(心配する)ところがたくさんあります。一つ一つ考えていきましょう。

 注意1.ボリューム調整(ミュージック音量、マイク音量)

歌っているお客様が良く聞こえているかどうかは調整したいところですが、他のお客様の会話が聞こえないような音量はNGです。歌う方が聞こえるギリギリ低めの音量に調整しましょう。カラオケ機械の音量は固定して置くことで良いと思いますが、お客様の声量で聞こえ方は変わりますのでいつでも調整する必要があります。調整した場合は、元に戻すことも忘れないようにしましょう。

 注意2.曲順の調整

ある一人の、又はグループのお客様の曲だけが続けて予約されてしまっていることが良くあります。その場合に、まだ歌っていない別のお客様がリクエストしたタイミングを見て曲順をチェックし、バランスよく曲順を調整してあげましょう。カラオケ予約はお客様自ら入力することが多いと思いますが、目の前のお客様だけではなく、全体もしっかり把握して、たくさん歌う方も一曲だけ歌う方も楽しめるような配慮が必要です。

 注意3.お店全体の調整

時々ですが、他のお客様のカラオケに、全く別でお越しのお客様がマイクを持ち、一緒になって歌おうとする場合があります。好きな曲が流れ、気分が乗っていると、自分も一緒に歌いたい!と思うのでしょうが、マイクを持とうとしたらすかさず止めるようにしましょう。歌っているお客様は料金を払っているわけで、そのお客様が一緒に歌おうと言わない限りは勝手に歌い出すのはNGです。レストランで他のお客様が注文した料理を勝手に食べることと同じです。

もう一つは、あるグループだけが盛り上がり、立ち上がって踊ったり、全員で声を合わせて大音量になるなどもありますが、あまり極端だと静かに飲みたい他のお客様が帰ってしまいます。行き過ぎる時は、抑えてもらうようにしましょう。

カラオケを提供するお店側のマナー

カラオケにまつわるお店側のマナーは意外に多いです。出来るだけ簡単に書いていきたいと思います。

 マナー1.聞き役となる

接客の基本も「聞き役」となることですが、カラオケも同じです。主役はお客様ですので、自分が何か面白いことを話そうとか、上手な歌を聞かせようとするのではありません。カラオケを利用した接客の基本は、お客様に歌ってもらうことです。まず「声を出す」と言うことは、歌詞やリズム、メロディーを通した自己表現になり、ストレス発散に繋がります。言葉では表現するのが難しくても、歌でなら表現できることもありますよね。会話が苦手なお客様も、歌なら思い切り声を出せると言う方も多いです。歌が好きな方はたくさんいらっしゃいますので、カラオケを一つのツールとしてお客様の気分を良い状態にしてあげるように活用しましょう。お客様が歌っている時に良くやってしまうのが、カラオケの画面ばかり見て、お客様に背中を向けてしまうことです。身体と目線はお客様を向いて、お客様の歌に合わせて手拍子や合いの手、リズムを取るなどし、しっかり聞いてあげましょう。

 マナー2.拍 手

お店側は、どなたの歌であっても拍手をすることが基本です。拍手したりしなかったり、自分の目の前のお客様だけ拍手して、別なお席のお客様の時は知らん顔なんてことのないように、スタッフさんは店内の全てのお客様に対して拍手を送りましょう。拍手の仕方についてですが、”顔の高さ”で、”笑顔と共に”、”しっかり音が鳴る”叩き方をすることが大事です。初めは練習も必要です。

会話の途中であっても、そのお客様から目をそらさなくても、さりげない拍手の動作をすることも出来ます。拍手の大きな音は出せなくても、歌っているお客様から見えるように、少し高めの位置で拍手をしただけでも、しっかり聞いてくれているなと言うことがわかります。状況に応じた拍手をして下さい。洗い物をしている時やお酒を作っている時など、手がふさがっていることがありますよね、その時は掛け声をかけてあげると良いです。私のお店ではかれこれ十数年使っている独自の掛け声があります。今ではお客様も覚えて下さり、一緒に掛け声をかけると、お店全体が一体となり盛り上がります。皆さんも考えてみてください!

 マナー3.お店のスタッフさんが歌う場合

お客様から何か歌を聞かせて欲しい、この歌を歌ってほしいとリクエストされることも良くあります。その場合は、もちろんお応えしたいですし、ある程度有名な曲は覚えておくことや、自分が最も上手く歌える歌を何曲か用意しておくことも必要です。

歌えない曲をリクエストされた場合は、他のスタッフさんが歌える場合はお願いするのも良いでしょう。そして次に言われたときは歌えるように覚えておきましょう。どうしてもわからない時でもお断りするよりは、「この歌なら歌えますので、ぜひ聞いてほしいです!」と別の曲でお応えするのも良いですね。出来るだけお客様が知っていそうな曲や、年代の近い曲を選ぶと喜ばれると思います。

 マナー4.デュエット曲の場合

スナックではデュエットを頼まれることも多いので、何曲か覚えておきましょう。知らない曲を依頼されてもマナー1のように対応し、別な曲でも楽しく歌うことが出来ます。デュエット曲を歌う場合は、お客様の声量に合わせることです。お客様よりほんの少し低めに歌うのが上手な歌い方です。もう一つは、カラオケの画面だけを見ずに、お客様の方向に顔を向けて歌うことです。お客様がどんな表情かを常に観察するのが接客ですが、カラオケをしている時も同じです。時々お客様と目を合わせながら歌いましょう。

 マナー5.カラオケの勧め方

カラオケは、接客で活用する一つのアイテムですが・・・お客様ご来店時、お席のご案内~おしぼり~お飲み物~チャーム・・・そしてすかさずカラオケ用のリモコンとマイクを用意・・・と言うことはしないようにしています。すぐに歌いたい!と言われたならまだしも、スナックはカラオケボックスではありませんので、まずはお客様への気遣い、”笑顔”と”言葉”と”動作”があってこそスナックですから、カラオケセットはお客様がそろそろ歌いたいと言うタイミングになってから用意しましょう。大袈裟なようですが、何の気遣いする間もなく「何か歌でもどうぞ」と言うのは、接客を放棄したようなものです。接客は難しいお仕事ですので、皆さん日々悪戦苦闘していると思いますが、お客様が「カラオケをするのを忘れてた!」と言うような接客をしたいものです。お店がカラオケボックスと化してしまわないよう、精一杯の気配りで、お客様に”元気”や”勇気”を提供しましょう。

繰り返し通って下さるお客様ですと、いわゆる十八番と言われる持ち歌があることがわかりますので、その曲を覚えておき、時々言わなくてもリクエストしてあげると、自分のことを覚えていてくれてるんだなと喜ばれたりします。しっかりおもてなしをした後に頃合いを見てリクエストしてあげましょう。

その他、私のお店では、カラオケ好きの常連のお客様に「カラオケリスト」を作成しています。カラオケしたい!でも何を歌おうか・・・となかなか決められないと言うことがありますよね、そんな時リストがあると便利です。今まで歌った曲をリスト化して、新たに歌った曲を書き足していきます。今、私のお店で一番曲数が多い方は、なんと”234曲”!このお客様はかれこれ18年通って下さっています。カラオケリストもとても喜ばれますので作ってみて下さい。

カラオケ、音楽の力

カラオケを活用した接客の注意点やマナーを書いてきましたが、カラオケを含む”音楽の力”のようなものを日々感じています。なぜお客様はスナックに足を運ぶのか・・・(私なりの意見は過去の記事にも書いてきましたが、中でも「スナックって必要?」と言う記事で紹介しております。)ここでは詳しく書きませんが、なかなか昔のように飲み歩く方々も少なくなり、飲み会がどんなものか、わざわざスナックに立ち寄るのはどうしてなのか、集うことの意味があるのかと疑問に思う方が多いと思います。

スナックは小さな社会です。その中で生きていく(集う)時に、様々なジャンルを越え、人と人とが直接対面した場で交される”何か”は、言葉では伝えるのは難しいですし、改めて伝える機会もなかなかありません。時代が違えば感覚も大きく違い、自分の子ですら、何か伝えようとしても上手く伝えられないと感じています。でも、音楽がそこにあると、”同じ音”を聞き、更に音楽に合わせて”同じ動作”で動きを付けることで、言葉では表せない一体感を感じ取ることが出来ます。子供のころ、お遊戯を教えられたのはこう言うことだったんだと今頃気づきました(笑)

なぜスナックに人は集うのか、なぜスナックのような場所が必要なのか、どうしたらここでしか感じられないものを伝えられるのか・・・その手段の一つに、カラオケ等を活用した営業があると思います。

私のお店の例ですが、カラオケを活用した接客の一つに、スタッフ間で簡単なダンスを覚え、まずは私たちがパフォーマンスしながら、お客様をお誘いすると、踊りに来たわけではないのに、つい一緒にリズムに乗って体を動かしたくなり、別でいらしたお客様全員が、いつの間にか自然に心一つになる感覚を感じられます。他にも、お店は防音仕様になっていることから、楽器の演奏なども取り入れたり、音楽と共に”生きるパワー”を感じられる、そんなお店にしたいと奮闘中です(笑)

お読み頂きありがとうございました。

♪ カラオケを忘れるような接客をしよう。
♪ カラオケの主役はお客様、しっかり聞き役となり、店内全てのお客様へ拍手を送りましょう。
♪ カラオケを含む
"音楽の力"で、生きるパワーを感じられる工夫をしよう。

スタッフの心がけ

   自分の歌、デュエット時の音量、カラオケを最初から勧めない、お客様の十八番

その他、カラオケリスト、

音響(スピーカー調整)

スピーカーの調整は専門業者さんにお願いするしかないのですが、お店の広さやスピーカーの位置で反響の仕方が変わります。私もお店を作る時にこだわったところの一つですが、歌ったときに気持ちよく声が響かないとせっかくのカラオケ営業がもったいないですので、チェックして調整しましょう。

カラオケ、音楽の力

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