本日もよろしくお願い致します。小さなスナックのママAnanです。
皆さんの想像するスナック営業は、スタッフさんはお客様と一緒にお酒を飲み、いかに早くボトルを減らし新しいボトルを入れるか、又はドリンクのオーダーを取るかが必須だと言うイメージはありませんか?だとすると、お酒が飲めなければ出来ない仕事と言うことになりますね!
本日はそのイメージをガラリと変えた私のお店の営業法をご紹介します。
このブログでは、小さなスナックを営むママAnanの日記+お勧め本+スナック営業のアドバイスを書き連ねていきます。
カテゴリー「ママのアドバイス【営業編】」では、一例として、私の経営するスナックの営業方法とその考え方、独自のルールなどをご紹介していきますので参考にしてみてください。

お酒を飲まない・ドリンクをもらわない
私のお店では、誰一人お酒を飲まずに営業すると言うルールがあります。それについては、【秘密のルールpartⅡ】でご説明しましたが、お酒を飲まない?!スナックなのに?!とびっくりされます。ですが、実はそれだけではなく、こちらからお客様にドリンクを要求することも禁止と言うルールがあります。本日は『スタッフドリンク』にまつわる秘密のルールを書いていきます。
お客様に「一杯頂いていいですか?」「何か飲みたいです」などと、お客様に自分の飲み物をねだることで売上を上げるのは、今でも当たり前の営業手法です。このような”おねだり”自体に意味があって、お客様は、おねだりされることによって、自分が頼られていることの嬉しさ、一緒に酔ってくれることでの一体感などで喜びを感じ、美味しく楽しくお酒を飲む一時への報酬をボトル代やドリンク代としてお支払いして下さると言うことになります。おねだりが出来ないと、お店側からスタッフさんに、もっと頑張って飲みなさいとか、ドリンクを取りなさいなどと教育されます。それが精神的にも健康的にもストレスフルになってしまう場合もあります。
それでは、お酒を飲まないだけでなく、ドリンクをおねだりするのも禁止と言うことは、何を目的にしているんですか?売上が上がらないのでは?と怒られそうになりながら、その意味を説明していきますね!
スタッフドリンクの意味
私のお店はボトル制ではなく飲み放題制ですので、ボトルを減らそうとすることは無いのですが、スタッフさんが飲み物を頂くことは、お代を頂きますので、ボトルを減らすことと同じです。皆さんのお店では一杯おいくら頂いていますでしょうか。私のお店では一杯1,000円頂いています。小さなただのスナックなのに高い!と言う意見の方が多いかと思いますが、スタッフドリンクは『サービス料』であって、おねだりして頂くものではなく、お客様から、「ぜひ何か飲ませたい」、「飲んでほしい」と言われて初めて頂くことが出来る『報酬』と考えています。
飲み物は自動販売機でも150円も出せば飲むことが出来ます。小さなグラスでドリンク一杯1,000円を支払うと言うことは、私たちだったら簡単に出来るでしょうか?それをお客様から頂くと言うことは、どれだけ重い一杯かと言うことです。少なくとも、席に着くや否や「頂いてもいいですか?」は言えるものではありません。スタッフドリンクは私たちのサービス(おもてなし)があっての報酬です。どんなに売上が欲しくても、私のお店ではドリンクを催促することは禁止しています。まずは、こちらがドリンクを頂くに相応しい立ち居振る舞いと心からのおもてなしをするのが先、私たちはお客様に何をしてあげられるのか、常に考えながら仕事をするためのルールです。
ルールの先にあるもの
スナック繁盛店のメソッド【秘密のルール】としてpartⅠ~Ⅲまでご紹介してきました。スナックにそこまでルールを設けるなんて!あまり厳しいことを言わない方がいいのでは?と思われる方も多いと思います。実際のところ、これらのルールはほとんど破られるのが当たり前です(笑)それならなおさらルールなんて最初から無くて良いのでは?となりますが、ご説明したように、一つ一つには、お客様・スタッフさん・お店(職場)を守るための重要な意味があります。どの会社でも必ず就業規則がありますよね。昼間の会社の規則は守るのに、スナックの規則はいらないと言うのはおかしなことです。スナックも社会の中で重要な役割を担う大事な職場です。
破られると言うことは、もちろんルールを理解させてあげられない私の不徳の致すところですが、本当に理解すると言うことはそれだけ難しいことなんです。難しくて簡単には理解出来ないのですが、入店時にルールを一通り説明し「守れそうですか?」とお聞きし、「守れる」と答えた方だけを採用しています。本当の理解は仕事をしながらわかっていくもので、ルールを守ろうとする心があるかどうかが大事です。ルールも何も関係ない自分勝手な考えではこの仕事は出来ません。それだけトラブルが起きやすいお仕事だからです。
ルールを破れば、心の中がやましい気持ちとなり、真っ直ぐに人と向き合えなくなり、嘘をつくようになり、気持ちよく働くことが出来なくなります。どこで線を引いたら良いのか、それとこれとどう違うのか、人と関わることそのものを仕事とする接客業の難しさでもあります。
ルールは守ることが目的ではありません。破ってしまうのが人間なんです。そして数々のトラブルを越え、失敗を越えて、本当の意味を知っていくものだと思います。ルールを守っていった先、お客様との信頼関係を築けた時、こちらから「乾杯したいです!」と自信を持っておねだり出来るのと、何も出来ていないうちに「ドリンク頂いてもいいですか?」では、全く意味が違います。
お店のルールを守り、もっとその先へ進んでいきましょう。そして、接客業の奥の深さを感じながら気持ちよくお仕事していきいましょう。いつかこの思いを共有し合える方に出逢い、私のお店を受け継いでいけたらなと密かな夢を抱いております。
お読みくださりありがとうございました。
♪ お客様へのおもてなしが先
♪ ルールは守ろうとする心が大事
♪ 本当の意味は失敗して初めてわかるもの
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