スナック繁盛店のシークレットファイル【色恋営業】

スナックママのアドバイス【仕上編】

本日も宜しくお願い致します。小さなスナックのママAnanです。

このブログでは、小さなスナックを営むママAnanの日記+お勧め本+スナック営業のアドバイスを書き連ねていきます。

風俗営業法が改正され『色恋営業禁止』の文字が飛び込んできました。正直こんな法律が出来るとは驚きでしたよね。ホストクラブなどでお客様の恋愛感情を利用して高額な飲食代を請求したり、その代金の支払いのために風俗店で働かせるなどの行為を禁止するものです。ホストクラブなどの高額請求、売掛金問題などの悪質な問題が毎日のようにメディアでも取り上げられ、これらが大きな社会問題となり今回の改正となりました。

接客業と言っても、風俗営業許可を取得して営業しているお店と、私の営む小さなスナックのように、接待を伴わない飲食店の場合がありますが、共通しているのは、お客様は、出されるお酒が飲みたくて足を運ぶと言うよりも、そこで働く人間やお客様とのコミュニケーションを楽しむことを目的としていることです。本日の内容は人と人との感情のお話なので書ききれないとは思いますが、法律まで出来てしまいましたので、お客様との関係性やお店側の心得の一例として少しでもお伝え出来ればと思います。

カテゴリー「ママのアドバイス【仕上げ編】」では、一例として、小さな町の小さなスナック経営を通して見えた世界をご紹介していきますので参考にしてみてください。

接客業に携わる私たちの自覚

日常、異性との出会いがなかなか無い・・・接客業の場は、お客様をおもてなしすることが仕事ですので、お店に足を運べばそこが出会いの場となるのは確かです。接待を伴う飲食店(風俗営業許可取得)の場合は特に、如何にしてお客様に気に入ってもらえるかで自身の報酬となりますので、お客様とお店のスタッフさんの距離は近く、お客様は、気に入られようと懸命なスタッフさんの対応に心を打たれ、それが恋愛感情へと発展してしまうのも頷けます。

反対に、スタッフさんがお客様に対し恋愛感情に発展する場合についてですが、私がスナック経営に携わった15年間で見てきた限り、全員と言っていい程、いずれはお客様の誰かに恋をします。ですが、一日に何人ものお客様の接客をする側より、お客様側から恋に落ちることの方が断然多いのは想像がつきますよね。お客様とスタッフさんが出会い、恋に落ちると言うことは、社内恋愛のようにごく自然なものです。この本来自然で純粋な気持ちを利用すると言うことは、自分は恋愛感情を持っていないのに持っていると信じさせ、お客様の恋愛感情を煽りお金を使わせる…と言った場合、お店側の利益しか考えていない所に問題があると思います。

いや、お客様も恋愛感情を楽しみ喜んでいるのだから、その時点でお客様の利益になっているはずだと言われるかもしれません。でもそう言えるのは、お客様ご本人であって、私たちが言うことではありません。もし、恋愛感情を商売に利用すると言うことは、人間の本能を利用すると言うことになりますので、大切なお客様の、そして大切なスタッフさんの本能や感情まで誰が管理できるのでしょうか。売上を立てるための手法の一つだとしたら、お店が管理出来なくてはおかしいことです。管理が出来ないから行き過ぎてトラブルとなり、後先を考えずその日の数字(売上)だけを追いかければ、いずれはお客様もスタッフさんも身も心も財布も持たなくなり、全員短期間で潰れてしまう結果となるのです。

恋愛感情を掻き立てるのは最も簡単な接客法とも言えます。その手法で売上だけを追い求めればトラブルの元となり、返って大きな代償を支払うことになりかねません。私たち接客業従事者は、目に見えない人の『心』に良い働きかけをするお仕事です。人の言動は「心」で決まります。その心に働きかける私たちがどんな「心構え」なのか、私たちの立ち居振る舞いが世界を動かすと言っても過言ではありません。このブログ中で度々お話していますが、”商売道具は私自身”です。私たちは常に世の中に問われる存在だと言うことを自覚しましょう。

お客様との真剣なお付き合い

前の章で少し触れましたが、全員と言っていい程、スタッフさんもいずれはお客様の誰かに恋に落ちます。と言うとお客様は、頑張ろうかな!と思うかもしれませんね。その恋は恵まれるか、切ない恋に終わるか、トラブルの元となるか・・・

私のお店で働いていたスタッフさんにも、お客様と出会い結婚して幸せな家庭を築いた方は何組もいます。私も結婚式に呼んで頂いたり、スピーチをさせてもらったこともあります。今でも、時々連絡を取り合い、大きくなったお子さんに会わせてもらったり、家族でお店に顔を出してくれたりなど、長く良いお付き合いが出来ることは、とても幸せな気持ちになります。このように、接客業も他の業種と同じく、職場で生涯のパートナーとなる方と出会うことは良くあります。

運命の人と出会い、お客様と個人的にお付き合いをしたいと思ったなら、ママに話を通しておくと何かと気持ちが楽と思います。個人的なことまでママに話さなければならないと言うことではありません。この仕事は個人の感情やプライベートでの出来事や環境が仕事に大きく影響を及ぼしやすいので、言わなくてもママにはすぐに知られてしまいます。そうなるとお店のお客様がお相手ですので気まずい雰囲気となり、仕事がしづらくなり、職場の空気を乱し、退店・・・と言うのは良くあるパターンですが、お店に迷惑をかけないよう、お付き合いをしているなんて気づかなかった!と思われるくらい徹底した気遣いが出来れば話さなくても問題ないと思います。後々どう転んでも、話を通しておくことでママがフォローに入ることも出来ますし、お店もあらかじめ対応も出来、円満退職に繋がり、その後も良いお付き合いが出来ますので私は話をすることをお勧めします。

ママは、大事なスタッフさんのことですので、営業中のスタッフさんの身の安全を確保し、スタッフさんが話しやすい環境を作り、様子を見てママから声をかけてあげるなど、お店の利益だけを求めず、いつでもスタッフさんの幸せを願い対応することは言うまでもないことです。

恋愛感情を超えていく

真剣なお付き合いとなるのは良いのですが、そう上手くはいきませんよね、好きだと思う相手は既婚者だったり、好みではない人には好かれるものです。接客業に携わる私たちはお客様に好かれて当然ですし、お客様の方も、たくさんのお客様の中から自分を好きになってもらえたら・・・と密かな希望を抱くのも確かです。このような恋愛感情をどのように考え対応していけば良いのでしょう。

実際のところ、色恋営業禁止と言う法律を作られなければならない程、恋愛感情と営業との線引きをするのも、人の欲を抑えるのも難しいと言うことです。そもそも自分の心すら欲や怒りや愚痴などの煩悩に負けて管理も出来ないのに、お客様の心を管理出来るはずがありません。それなのに利益欲しさで、恋愛感情を煽るような最も簡単な手法で高額な請求をしようとするのは接客業とは言えません。本当の接客は、恋愛を超え、一人の人間と人間としてのお付き合いが出来るかです。

スタッフさん側ですが、まずはお店は職場であると言うことを忘れないでください。いちいちお客様と恋に落ちていては仕事になりません。職場は遊び場ではありません。売上が欲しいからと、お客様の言いなりになるような軽率な行動も控えてください。お客様にはお客様の生活環境があります。自分の欲だけを優先すれば、お店や他の誰かに損害を与えトラブルの元になります。あらゆることに考えを巡らせてこそ接客業のプロですので、真剣な交際以外は受け付けないくらいの気構えを持たなければこのお仕事は務まらないでしょう。

お客様と個人的に連絡を取り合い、職場以外の場所で恋愛を楽しむようになれば、それはもう仕事から外れています。好きなお客様に気に入られるのなら売上になるのでは?と言うのは都合のいい間違いです。好きな人だけがお客様ではありません。選り好みするのなら接客業は辞めた方が良いでしょう。スタッフさん自ら個人プレーに突入するようでは危険があっても助けることはできません。安心して仕事をするには、接客業を安易に考えず、お店と常に連携を取ることです。お店があって仕事が出来ていること、一人でも多くのお客様にご来店頂いて初めて自分の報酬となることを念頭に置き、個人プレーは辞め、お店の利益を考えられる、お店から必要とされる良きスタッフとなりましょう。対応が難しい、難しくなりそうな場合は、あらかじめママやお店側に報告しておきましょう。

お店側は、お客様とスタッフさんを守るためにも、しっかりした営業方針を示し、お互いが利益となるよう顧客管理、スタッフ管理をしましょう。お客様の方が一方的にお付き合いを求めてきたり、強引に迫ってきた場合でも、責任を持ってお付き合いが出来ない相手なら、きちんと線を引きお客様に示すことが出来るようサポートしましょう。スタッフさんの気持ちに任せるのは危険です。売上を重視するあまり、お互いの感情を煽るのは人を大切にしていない証拠です。お店は人と人との関係で成り立っていることを忘れてはいけません。

こんな話では売上にならないのでは?と思いますでしょうか・・・。

経費を抑え、売上はいくらでも上げたいと思うのは当然ですが、目指すお店の経営計画は現実と見合っているでしょうか。極端に言えば、売上第一で「短期戦」なのか、安全第一で「長期戦」なのか、リスクを伴えばそれを何年も維持することは難しくなる。地域に根差した老舗を目指せば爆発的な売上を上げることは難しいが細く長く営業していける。お互いの利益になるのならどちらでもありですが、どんなお店作りなのか、スタッフさんはもちろん、お客様にも理解してもらえるような努力とマネジメントが出来るかと言うことです。

くどくなってしまいますが、接客業はお酒を売っている訳ではなく、そこで働く人間と、来て下さる人間(お客様)の関係で成り立っています。接客業が社会にとってどんな役割があり、何を提供できるのかをもう一度考えましょう。禁止される営業をする必要はありません。社会にプラスとなり、必要とされる働きが出来ればいいんです。恋愛感情は「麻薬」のようなものです。一時の感情に流されたり、欲のために利用するのではなく、恋愛感情を超えてしまうくらい強くなれるよう、自分を磨いていきましょう。必要なのは日々勉強することです。

長くなりました。お読みくださりありがとうございました。

♪ 人の心にプラスとなる働きをしよう。
♪ 売上のために人を利用するのではなく、人を大切にする仕事をしよう。
♪ 恋愛感情を超え、人間と人間として付き合えるよう日々勉強しよう。

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