本日もよろしくお願い致します。建設現場で働くスナックのママAnanです。
このブログでは、建設現場で働きながらスナックを営むママAnanの日記+お勧め本+スナック営業のアドバイスを書き連ねていきます。
これまで、ママのアドバイスと称して【オープン編】・【ママの仕事編】・【営業編】に分けて、いくつか記事を書いてきました。この仕事は携われば携わるほど難しいなと・・・なので今日はちょっとシリーズから抜け出してみます。そもそも、世の中がAI技術の進歩で無人化店舗も増え、買い物をするにも食事をするにも、スマホがあれば済むのに、なぜスナック経営なの?スナックって本当に必要なの?と思いますよね。
出来れば人に会いたくない、会話もしたくない、仕事で人と関わるだけでもストレスになるのに、わざわざ集まって気を使いながらお酒を飲むなんて疲れるだけじゃないのか、いったい何を求めているの?お酒を飲むなら家で飲めばいいのでは?
私もそう思うんです。私自身、出来れば人に会いたくなく、会話も苦手です。お酒は飲めますが365日飲みたいと思うことはありません。じゃぁなぜスナックのママをやろうと思ったの?と不思議がられますが・・・スナックのママにたどり着いた経緯はブログの「作業着姿からスナックのママへ転身!」に書きました。お酒も嫌い、会話も苦手、人に会いたくないのなら、ほぼ出来ないのでは?と思いますよね。
お酒の飲み方
私の母方の祖父は町一番の酒乱と言われていました。それでも若いころは天皇陛下を傍でお守りする「近衛兵(このえへい)」だったそうです。家柄も良く端正な顔立ちで、本当に立派な人だったみたいなんです。優しくて清潔感があって、私には良きおじいちゃんだったんですが、昼間から酒を飲んでは交差点のど真ん中に寝っ転がって大騒ぎになったり、包丁を持って自分の娘(私の叔母)を追いかけ、叔母は裸足のまま私の家まで逃げて来たり、私の母が病院に居れば病院に追いかけてきて大騒ぎをして迷惑をかけ、伯父や私の父が仕事中に呼ばれて身柄を確保なんてことはしょっちゅうでした。もう酒飲みはまっぴらごめん!と思っていましたが(これを言うとスナックのママのくせに何を言うか!と怒られそうですが・・・)祖母が早く亡くなってしまったことや、仕事を探しながら出身地から遠く離れてこの地にたどり着いた時には近衛兵だったことなどは何の効力も持たなくて、とにかく貧しくて、とある方の家の片隅に間借りしていたと聞きました。相当な苦労があったんだろうなと今は思えます。
この仕事をしていると、祖父の例は極端として、普段は物静かでもお酒が入ると変わると言う人は案外多いように思います。「酒は百薬の長」と言う言葉もありますが、適量なら血行促進、ストレス発散、動脈硬化予防など、医学的にも効用がある反面、飲みすぎると万病の元にもなりますし、酔った勢いで思いもよらないトラブルを引き起こしたり、転んで怪我をしたりと、マイナス効果も高いですよね。
そんな風になるなら飲まなきゃいいのにと思いますが、「お酒」は人間の心の中に似てるのではと感じます。飲み方次第で”吉”と出るのか”凶”と出るのか、人の心の中で日々”善い心”と”悪い心”が戦っているように。「お酒」を介して、自分の居場所、自分の存在を知ってほしい、認めて欲しい、存在を確かめたいから、自分の来店を喜んでもらえる、話を聞いてもらえる、そんな場を求めているように思います。真っすぐ家に帰る前に気持ちを整え、今日1日働いて疲れた心を慰め癒し、そして自信を取り戻して明日を迎えたいから、スナックに立ち寄るのだと思います。
お客様が”モヤモヤ”しながら開けたお店のドアを、お帰りの際には来て良かったと”晴れ晴れ”とした気持ちでドアを開けられるように精一杯寄り添い「また元気で会いましょう」と、丁度良く(適量)飲ませてあげることが私たちの役目じゃないのかなと思います。
スナックでお酒を飲む必要は無い
私のお店は、お酒を飲まないお客様がとても多く”夜の喫茶店”と呼ばれています(笑)
飲んでいる人、飲んでいない人、様々な業種の老若男女が一堂に会します。ふと気が付くと、お酒を飲んでいない人の方が多い日さえあります。私としては実は戦略なので、ソフトドリンクの種類も豊富に取り揃えています。お酒を飲む必要が無いので、車でいらして車で帰ると言う光景も普通です。お客様がご来店して「今日はコーヒー?」「どのジュースからいく?」など良くあることです。【営業編】でも書きましたが、お店のスタッフさんもお酒を飲まないルールとなっていますのでとても健康的な空気のスナックなんです。
スナックでお酒を飲み「酔っぱらって覚えていない」とか、「次の日二日酔いで具合が悪くて」と言う状況になって欲しくはないんです。スナックに来たら逆に元気になって、明るくなって、健康になって、自信を付けて明日を迎えて欲しいんです。その方が絶対良いと思います。
私のお店の就業規則には、冒頭にこのように書いておりますのでご紹介します。
私たちは、お客様を元気にするのが仕事です。 お店を通じて関わる全ての方に、思いやりのある「言葉・表情・動作」で心に語りかけてください。 人と人とが直接対面し、コミュニケーションをとることの重要さを伝えること。そしてそのコミュニケーションを円滑にするお手伝いをすること。私たちの仕事はジャンルを問わず社会全体に共通する重要な役割を担っています。 お互いの表情を見ながら言葉を交わし、心を動作に現し伝えるのがコミュニケーションです。 明日の○○○(地域の名前)が、笑顔と希望に満ちていて欲しい。そのために必要とされる人になりましょう。
「言葉・表情・動作」は、このブログでもご紹介しました、マナー講師の平林都先生著『接遇道』にも書かれていることです。この3つにお金は一切かかりませんよね、”コストゼロ”です。どんな言葉で、どんな表情で、どんな動作(立ち居振る舞い)でお客様に接するのか、その姿勢に感動し、お客様は元気と勇気を受け取ってくださりお金を払ってくれているんです。お酒の代金を払っている訳ではありませんよね。
嫌いだけど、やりたくないけど、この職業の持つ意味が社会にとって大きいと思うから、私は苦手な仕事をあえて選びました。資格もいらない、容姿も関係ない、年齢も関係ない、ただ心一つで接する仕事、人間対人間の直接対決で、目に見えないものを提供して報酬を得る”究極の仕事”だと思ったからです。スナックは、人類ある限り必要な場所と私は思います。人間はAIには叶わないかもしれませんが、こんな人間だから面白いのかなと。皆さんも何となくそうかも?と思って頂けましたでしょうか。いきなり建設の話になりますが、やはりロボットでは掘削は出来ても床付けを隅々まで均せるのか、その程度の問題とか、急な湧水で即対処だとか、予想外に土質変わってどうするかなどAIに判断出来るのかな?などなど・・・
時代も変わり、歓迎会、祝賀会、送別会、懇親会、忘年会、新年会と何かに理由を付けて飲み会を開いても、皆が皆、集うことは難しくなってきました。わざわざお酒を飲みに出かけてまでコミュニケーションを取らなければならないのかと思いますよね。自宅のパソコンの画面上でも、スマホででもコミュニケーションは取れるし、好きなものが同じだとか共通の趣味を持った人たちが集うなら楽しいし話も合うだろうけど、集いたくも無い人達と時間外まで一緒に居たくないと思います。それでも私がスナックと言う社交の場が必要と思うのは、全く別世界の人物との出会いを通して考え方の幅、視野や可能性を広げたいことと、実物と対面することで画面上からは感じることが出来ない感覚を、全身で感じることが出来るコミュニケーションだからです。
どんな感覚?と、これは言葉で言い表すのは難しく伝えることが出来ないので、今後どうやってこの感覚を伝えようかと考え中です。(だいたいの構想は出来てますけどあとは資金の問題かな!)
若い世代が飲み会を断るようになったとかではなく、私たち先を生きる者が、対面することや集うことの意味を教えてあげられないことが問題だと思います。社交の場での振る舞い、次世代の人たちとの接し方、お酒の飲み方がスマートでなければ、そんなところに行って、そんな飲み会なんてしたくないとなってしまいます。私も懲りているので(笑)
お読みくださりありがとうございました。
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